製造するメニューにもよりますが、パン屋さんならおそらく、オーブン、ホイロ(醗酵器)、ニーダー(ミキサー)あたりが一番高い買い物になると思います。特にオーブンは、パン屋さんの心臓部。高いものになると高級車が買えるぐらいのものがあります。
他にも、冷凍・冷蔵庫やガスコンロ、作業台は必ず必要になります。資金が十分にある方は問題ないですが、わたしみたいになるべく出費をおさえたい場合は、始めからあまり高価なものに手を出さず、普段使い慣れているものや、業務用でなく家庭用でそろえたりすれば十分だと思います。
まずは、最低限そろえた上で、ひととおりの作業テストや実際に営業をしてみて、どうしても必要になったときに考えるようにします。それで十分です。まして作業を一人でするなら、一度に焼けるパンの生地量は限られるので、そんなに大型の機械も必要ないです。
開業となると、どうしても気合いが入って、何か特別なものを新品でそろえてしまいそうになるのですが、そこは冷静になって考えるようにしましょう。
わたしの場合
ほとんど、家でパン作りをしているときに使っていた家庭用の機材で間に合わせました。ただ、一度に焼けるパン生地量が足りなかったのと、営業中に機材が故障した場合を考えて、同じものを2台ずつそろえることにしました。具体的には、ニーダー、ホイロ、オーブンを2台ずつ、すべて家庭用機材です。
はじめは、たったこれだけで本当にパン屋さんができるのか不安でしたが、使い慣れてるだけあって、十分においしいパンを焼くことができました。逆にこれ以上パン生地を増やしたところで、ひとりの作業では成形が追いつきませんので、自分にはちょうどよかったです。
水道工事は、上水・下水とも付いてなかったので、水道工事専門の業者にお願いしました。厨房設備費用のトータルとしては、水道工事にキッチン用品やこまごまとした雑用品も入れて、最初にだいたい80万円ぐらいの出費になりました。
主な費用
実際に購入したものを並べてみます。購入当時とは機種も価格も変わってしまっていますが、ある程度イメージできると思います。
※リンクをクリックすると商品詳細画面が開きます。
- 冷凍・冷蔵庫
現在は生産終了になっていますが、当時の特価70,000円くらいで購入しました。(画像は後継機)営業し出すと何かと保存するものが増えてくるので、内容積は400L以上はあったほうがよいです。
- ニーダー(ミキサー)
昔からパン教室などでも使用されている大正電機レディースニーダー。日本製で頑丈です。故障することなくガンガン捏ねてくれました。2年目ぐらいで回転軸のパッキンを交換しましたが、消耗部品は安くでネット上にたくさん売っています。ある程度このニーダーで捏ねてから、仕上げに手で捏ねるようにしています。
- ホイロ(醗酵器)
パン生地の醗酵温度を一定に保つためにホイロは必要です。4段あるので2台を1次醗酵と2次醗酵に使用しています。パン教室などでよく見かけるロングセラー品。
- オーブン
家庭用電圧の場合、電気オーブンでは厳しかったので、ガスオーブンにしました。容積は少し狭いですが、熱の立ち上がりが速いので非常に気に入ってます。燃焼音の割りにそれほどガス代もかからず燃費がいいです。
- ガステーブル
作るものによりますがコンロは何かと使います。家庭用で十分です。
- シンク
近くのホームセンターで購入しました。自治体によって、営業許可を取るときにシンクが2台必要な場合があります。(手洗い用と調理用)
- パンラック
ホームセンターで売っていたステンレスラックを購入。清潔に使えるなら何でもいいと思います。
5,000円 × 2台 = 10,000円
- 作業台
厨房用品店などで探しましたがなかなか気に入ったものが見つからず自分で作りました。作業場に合わせてオリジナル加工できたので結果よかったです。
8,000円
※自作した材料費
- 上・下水道工事費(外注)
上水道だけなら自分でできそうでしたが下水道が無かったので、まとめて業者さんにお願いしました。
190,000円
以上が初めに購入した機材になります。
作るパンの種類にもよると思いますが、これらで十分作業ができました。