わたしに限った話になりますが、基本的に「小さなパン屋さん」を1人で経営して、大儲けするなんてことはないと思います。
毎月の材料の仕入れなどの収支を差し引いて、食べていける程度の収入とほんの少しの貯金ができる程度でした。赤字経営じゃないだけマシかなという感じです。
テレビや雑誌で紹介されるようなヒット商品でも生まれれば話は別でしょうが、基本的にパン屋さんは「薄利多売」といって、少ない利益の商品をたくさん売って、ようやく成り立つ商売です。
わたしのように1人で経営する場合、売れる数に限界がありますので、「儲かる」のは難しいと思います。もし「儲かる」ことを重視するなら、人を雇ってたくさんの商品を売ればいいのです。
わたしは1人経営でしたから、あまり「儲かる」ことは意識せず、まずは「おいしい」と言って買ってくれるヒット商品を生み出すことに力点を置いてました。
日々、人気になるようなヒット商品を目指してレシピを考案していくわけですが、そこでヒット商品が生まれてたくさん売れるようになれば、人を雇って、たくさん作って、儲かっていくものだと思います。
別にきれいごとを言ってるのではなくて、そりゃ「儲かる」ほうが絶対におもしろいに決まっています。でも、儲けだけを軸にしてしまうと、それだけが目標になってしまって、いずれパン作りが楽しみではなくなってしまうような気がするのです。
パンを作ることも食べることも好きな方は、毎日焼きたてパンが食べれるし、売り上げも自分しだいで成果が出るし、とてもやりがいのある職業だと思います。でも、儲けることだけが目的なら、他の職業を選択したほうがいいと思います。
